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再稼働申請 福島 忘れたのか・・安全 だれが保障

原発事故被害者

「われわれから生きる希望を奪った原発を再稼働させるというのか」−。4電力会社が7月8日、新規制基準施行と同時に10基の原発再稼働を申請したことに対し、福島の原発事故被害者から怒りの声が上がっています。

参院選で審判下そう・・原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員 伊東達也さん/福島県在住

原発再稼働のための申請など福島県民として怒り心頭です。新規制基準は、福島第1原発事故の反省に立ってつくられたものとは到底いえません。実際の機器への地震の影響などの検証を経たものではありませんし、事故の究明はまだです。また、新基準で求めている緊急時対策所が、代用設備でいいなどというのは違法状態を前提にしています。安倍政権は、原発を成長戦略に位置付けており、まったく福島の教訓を省みようとしません。そこに、規制機関の原子力規制委も巻き込まれています。

規制機関なら、何よりも福島第1原発の事故の収束に努力すべきです。汚染された地下水が海に流出することが疑われる事態が現在も進行中です。再稼働の申請を受け付ける以前に、東電や資源エネルギー庁にしっかりと、必要な対策を求めていくべきです。

現在おこなわれている参院選挙でも、利益追求より安全な暮らしを優先した審判を下そうではありませんか。

企業まかせじゃだめ・・漁に出られず生業(なりわい)を奪われた新地町の漁師・小野春雄さん(62)

一時帰宅したけど草がぼうぼうでね。放射線量は高いところで毎時20マイクロシーベルト(年間換算約105ミリシーベルト。政府の避難指示基準は年間20ミリシーベルト)あった。

元の生活に戻れないなら、元の水準の生活に戻りたいけど、今の賠償基準では二本松で家を買うことは到底できない。農業もだめ、会社の方も浪江町の帰還困難区域にある採石場だからだめでしょう。私の年では新しい仕事は短期の除染くらいしかない。

原発再稼働に原発輸出! 考えられないね。原発被害者は本当に軽く見られているよ。福島のことを忘れたふりして、財界と自民党で計画どおりに進めている。

安倍首相は復興の妨げが国会のねじれだと言っているけど、復興の妨げは放射能でしょ。

仮設に支援にきてくれたのは共産党だけ。だから伸びているんだと思うよ。高いところから知らんぷりの自民とは違うよ。

企業まかせじゃだめ・・漁に出られず生業(なりわい)を奪われた新地町の漁師・小野春雄さん(62) 

毎日何していいか、考えられないんだ。今年からコウナゴの試験操業が始まったが、3月から5月までで10日間だけだよ。後は、がれき集め、これは今年で打ち切りになる。

いつ漁に出られるのか、放射能はいつなくなるのか、賠償はいつまで続くのか、何も分からない。希望がない。補助金が出る間にと思って漁具はそろえたがいつ使えるか。3人の息子も漁師だ。おれは「職変えろ」と言ったけど、若い仲間で漁の勉強会やってるよ。

福島のことが解決していないのに、われわれがどういう方向にすすんでいいか見当がつかないのに、再稼働申請するなんて、福島のこと考えてんのか。
東電が経営の関係で柏崎刈羽を再稼働させたいって言ってる。賠償続けるから再稼働させろと脅されてるような気がする。企業まかせじゃだめ。「国が最後まで責任を持ちます」−これがわれわれの一番欲しい言葉だ。

国民なめているのか・・“自主”避難 次女と郡山市中心部から放射線量の低い同市湖南町に避難し夫と離れ離れで生活している馬場真左さん(51)

節約のために家賃3万円のアパートでテレビも買わずに生活していますが、2年の避難生活で余分な出費は100万円を超えています。東電に賠償請求したら「原発事故と因果関係がないのでお支払いいたしかねます」ですって。避難当時、放射線量は毎時2マイクロシーベルト、今も0・5マイクロシーベルトあるのに。

私たち家族が当たり前の生活ができなくなったのは原発のせいです。他に何が考えられるでしょうか? 放射能は人間がコントロールできないことも分かったのに再稼働って、国民をなめてるとしか思えません。去年は原発なしで過ごしたし、自然エネルギーの可能性も十分ある。国民の側に再稼働の必要はありません。必要なのは原発でお金もうけしている会社だと思います。エネルギー政策は国がしっかり持つべきなのに再稼働の旗振りをするのはありえない。恥ずべきことです。

 

安全 だれが保障・・再稼働申請

安倍自民・公明政権の原発再稼働前のめり姿勢に後押しを受けた電力各社が8日、再稼働に向け、審査を申請したことに対し、当該原発の立地自治体で運動する関係者から怒りの声があがっています。また、日本共産党や市民団体などが抗議の申し入れなどを行いました。

値上げ決め再稼働も・・北海道反原発連合スタッフの佐藤友香さん(34)

今まで電気料金の値上げか原発の再稼働かの選択を道民に迫っていたのに、値上げも決めて、再稼働もするという道民への我慢の押し付けに腹が立ちます。
新規制基準で「安全性を高める」と言うが北海道電力の社長自身が「完璧に安全な原発はない」と認めています。

生命を犠牲にすることを認識しながら、自社の利益のために再稼働申請を行う非人間性。再稼働は電力会社が独断で判断し、強行できるものでないと思います。事故が起きた際にどうするのか。障害者の方々の避難対策など対策が確立されていない。申請の取り下げを求めます。

故起きたら国滅ぶ・・原発住民運動福井・嶺南センター代表委員・坪田嘉奈弥(かなや)さん(86)=敦賀市=

福島の事故の発生当時、首相官邸では首都圏全滅も想像したほどで、最悪の事態に至っていないのは偶然にすぎません。また、これまでとられた対策のまともな総括もありません。大地震がいつ起こるかわからない状況で、もう一回どこかの原発で大きな事故が起きたら国が滅ぶのではと心配です。

新規制基準は、経費や時間がかかる対策を先送りする、ずさんなものです。大飯原発は活断層調査を徹底すべきであり、ただちに運転を止めるべきです。

高浜原発もプルサーマルの問題があります。原発が動かなくても電力は足りています。運転するなど考えられません。

原発ゼロ 実現まで・・酒井恵さん(23)=愛媛、医療事務=

「伊方原発を止めたい」との思いでさまざまな取り組みに参加してきました。

伊方原発をめぐっては、裁判が行われていて、決して「原発は安全」などという結論も出ていません。

原発の近くに中央構造線があるなど「地震の危険性が指摘されています。福島原発事故では、まだ原因がはっきり分かってもいないのに、「伊方は安全だ」などとなぜいえるのでしょうか。

四国電力は今こそ、原発以外のエネルギーに転換してほしい。四電が原発をあきらめ、国が原発ゼロの方針を決めるまで、声を上げ続けていきます。

「やらせ」反省もなし・・玄海原発対策住民会議副会長の仲秋喜道さん(83) 

原発の「安全神話」は福島事故で吹っ飛びました。もともと軽水炉発電は致命的弱点をもつ欠陥炉です。その基本問題の検討を棚上げして出した新基準は再稼働のための新規制基準で安全は保証されていません。誰のため、何のための新基準かが問われています。これを許すわけにはいかないと思います。

原発を動かすためなら手段を選ばない九州電力の企業体質は「やらせメール」で天下にさらしました。

″寄付が欲しければ原発再稼働を認めろ″と言わんばかりの九電トップの発言は「やらせ」への反省が形ばかりもないことを映しています。九電は危険な原発を動かす資格はありません。

核のゴミ残させない・・金曜行動に参加する作道英理子(さくみちえりこ)さん(63)

再稼働は絶対反対です。事故が起きる起きないではありません。

原発は核のゴミを出しますが、現在の技術では放射性廃棄物は処理できないのです。これ以上、危険な核のゴミを後世に残してはいけません。

チェルノブイリ原発の事故後、たくさんの子どもたちが白血病になりました。福島の子どもたちの健康が本当に心配です。私はがん治療を経験しました。壮絶な治療でした。こんな治療を子どもたちにさせるわけにはいかない。

昨年(2012年)7月に始まった九電(鹿児島支社)前の金曜行動には「子ども達に安全な未来を」と書いた手作りポスターを持参しています。今こそ、再稼働反対の意志を示したいと思っています。

 

抗議の申し入れ・行動、各地で

方針は撤回を・・福岡

福岡市の九電本店前では市民ら約40人が抗議行動をしました。日本共産党福岡県委員会をはじめ10団体が再稼働方針の撤回と全原発の廃炉を申し入れました。

岡野隆党県委員長は、玄海原発50キロ圏の福岡市について原子力規制庁が「避難は無理」としている現状を指摘。「住民の安全がまったく保障されない」と撤回を迫りました。

九電本店前で座り込みを続ける「原発止めよう!九電前ひろば」の青柳行信さんは、「節電で原発がなくとも電力は十分確保できている」と語り、一昨年の4月から九電大分支店に廃炉を求める手紙を出し続けている島田雅美さん(66)は「722通を渡したが、声が届かず残念」と話しました。

九電・知事に・・鹿児島

日本共産党鹿児島県委員会は、九州電力の川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働申請に抗議し、断念するよう瓜生(うりう)道明九電社長あてに申し入れました。まつざき真琴県議と野口ひろし選挙区候補などが参加しました。

伊藤祐一郎知事あてにも反対するよう要請しました。

原発のある薩摩川内市でも「さよなら原発いのちの会」が九電に申し入れ、井上勝博党市議が同行しました。

九電鹿児島支社前では日本共産党など14団体が合同で抗議集会を開き、熊本県水俣市からも参加者が駆けつけました。

青年らが反対・・愛媛

四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)の再稼働に反対する青年でつくる「伊方原発をとめまっしょい☆若者連合」は、同社原子力本部前(松山市)で、「7・8とめまっしょい☆行動」を行いました。40人が参加しました。

ドラムのリズムに合わせた「伊方原発とめまっしょい」のコールやスピーチを行い、呼びかけ人のアユムさん(23)は「国や県にも声を上げていくとともに、さらに仲間を広げていきたい」と語りました。

原発ゼロを目指す四国の個人、団体でつくる「原発さよなら四国ネットワーク」は、四国電力の千葉昭社長に40の個人・団体から寄せられた抗議文を提出しました。

原子力本部前の敷地内で渡す予定でしたが、四電側が敷地への立ち入りを拒否。炎天下、参加者を日陰のない歩道に待たせた上、「1人なら立ち入りを認める」としたため、参加者が一人ひとり抗議文を読み上げ、提出しました。
「伊方原発をとめる会」も抗議文を同社長あてに送付しました。

共産党が要請・・佐賀

日本共産党佐賀県委員会は、玄海原子力発電所3、4号機(玄海町)の再稼働申請の中止を求めて九電佐賀支社に申し入れました。武藤明美県議が担当者に要請文を手渡しました。九電側は上司に伝えるとのべました。

古川康県知事にも同様に申し入れました。

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