東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされた、福島県の県立高校10校は、事故後3回目の新学年を迎えたこの4月、在籍生徒数は1609人で、震災前の46・8%と半数に届いていないことが、10日までの本紙の調べでわかりました。1年前と比べ202人減り、減少傾向が続いています。いまでも避難を続ける8校にかぎると、生徒数は、事故前の36・9%と約3分の1にとどまっています(下表)。
この1年で生徒数がわずかでも増えたのは2校だけ。南相馬市にある原町高校敷地内の仮設校舎にいる小高商業高校(18人増)と、11年秋に避難先から同市の自校にもどった相馬農業高校(18人増)です。
寄宿舎利用は大幅に減りました。県教委は、生徒の避難先の複数地域(最多で5地域)に分散し開校していた各校のサテライト校を昨年(2012年)春、原則1校に統合しました。
多くの生徒が通学困難に直面し、家族と離れ学校近くの宿泊施設(寄宿舎)に入る(177人)、家族と住む場所から通える高校に転校(65人)−などを迫られました。ことし4月からの寄宿舎利用は71人へと100人以上減りました。
いまも避難を続ける8校の3年生計309人は、原発事故直後に入学したので、3年間避難先のまま、元の校舎に通うことなく来春卒業します。