日本共産党嶺南地区委員会 > 樫曲ゴミ問題 > えん提東側の汚水漏れ対策を緊急に行うこと、処分取り消し手続の「聴聞会」の公開など、県に申し入れ

えん提東側の汚水漏れ対策を緊急に行うこと、処分取り消し手続の「聴聞会」の公開など、県に申し入れ

 

6月14日に、県へ申し入れた「申入書」の全文
えん提東側の汚水漏れ、県は昨年から知りながら放置
「聴聞会」を公開し、公正・透明な行政運営を
えん提の安全確認をする調査、県が代執行を行う

敦賀市樫曲の民間廃棄物最終処分場問題で、私たち「市民の会」は6月14日、県土木事務所を訪れ、栗田知事あての申し入れ書を提出。これには、山田礼次郎会長ら八人が参加。奥山裕二県議(共産党)が同席しました。

01-6-14申し入れ書は

①処分場東側えん堤から汚水が木の芽川に流出しないよう対策を講じること、②木の芽川護岸の改修工事内容の公開、③業者への聴聞会を公開すること、④私たちが提出した公開質問状への誠意ある回答などを求めています。

山田会長らは、県が業者に実施させている汚水漏れ対策は不十分だと指摘し、「市民は川の水や地下水が汚染されないか不安を感じている。情報をきちんと公開し、納得できる対策を講じるべきだ」と強く要請しました。

応対した窪清行県環境審議監らは、木の芽川護岸のひび割れ部分は現在調査中で、汚水漏れは調査するとのべました。また、業者に対して行っている聴聞会は公開できないとのべました。


えん提東側の汚水漏れ、県は昨年から知りながら放置

窪環境審議監は、事実かどうか「調査する」などとのべました。

しかし、「技術検討委員会」が昨年12月27日に行った調査の報告書(情報公開された資料)に、えん提東側の「処分場天端部と斜面部の廃棄物接触水が進入道路を流下し」ていると書かれており、対策が必要であることは、県も昨年から知っていました。知りながら放置してきた県の責任は重大で、早急に汚水漏えい対策が必要です。


「聴聞会」を公開し、公正・透明な行政運営を

「聴聞会」の公開を求めた、林恵三副会長は、「事業者は今回、県の指導にしたがったまでで、責任はないといっている。したがって、住民は県に対しても不信感を持っている。(処分が)闇の中で行われるならば、不明朗なばかりか、処分自体が適切でないと思わざるを得ない」と指摘しました。

これに対し、窪審議監は、事業者は「個人の問題なども話す。その中には真実でないことも話すことから、誤った憶測が生まれると困るから」と弁明。奥山裕二県議は、「これまで、あまりにも県の態度がいいかげんやったから信用できない、だから県民が注目する」とのべ、重ねて公開を求めました。


えん提の安全確認をする調査、県が代執行を行う

「『技術検討委員会』の検討を踏まえた、安全性確認のさらなる調査を事業者に求めていた。しかし、期限までに計画書の提出がないので、県は事業者が実施するとは理解しない。したがって、県が実施する計画をしている」(答弁・窪審議監)


6月14日に、県へ申し入れた「申入書」の全文を紹介します

2001年 6月 14日

福井県敦賀市鉄輪町2-2-26
自然と環境を守る敦賀市民の会 会長
山田礼次郎

福井県知事 栗田幸雄 殿

去る4月19日、私たち「市民の会」は、敦賀市樫曲の民間廃棄物最終処分場について、「県技術検討委員会」の検討結果に疑問を呈し、「公開質問状」を提出しました。

今回、「御質問の点については、(県技術検討委員会の)報告書のとおり」と書かれた解答書(5月31日付け「廃第370号」)が県から郵送されてきました。

私たちは、「地下水および河川の水は大丈夫か」、「地震でえん提は崩れないか」など心配する市民の声を代表し、質問しました。しかしこれは、事実上の回答拒否であり、とうてい容認できません。

また県は、事業者に措置命令を出し、汚水漏えい対策を実施させているようですが、不十分であり早急な対策が必要です。

ついては、住民の安全をまもる立場から、この間明らかになった問題について下記のことを申し入れるものです。


  1. えん提の東側、素堀の穴に流れ込み悪臭を放つ汚水。(雨水を含む)
    えん提の東側、素堀の穴に流れ込み悪臭を放つ汚水。(雨水を含む)

    「県技術検討委員会」の検討結果報告書に疑問をもち質問したのに、「御質問の点については、報告書のとおり」とは、回答になり得ず、すこしの誠意も感じられません。6月30日までに文書で回答されるよう、再度要請します。

  2. 県幹部の証言と私たちの調査によれば、木の芽川護岸の調査・改修準備や処分場侵出水の漏水対策と思われる工事を業者に要求し、一部実施させています。しかもそれは、地元市民になんの説明もありません。
    具体的には、えん提東側の「露出している廃棄物」側面から漏れだしている汚水(侵出水)を素堀の穴でせき止めていますが、不十分であふれた汚水が林道を流れ、木の芽川に直接流れ込んでいます。
    違法であり、早急にゴムシートを張り、えん提を築くよう業者に要求すること。また、業者が行わない場合は県が実施するよう求めます。
  3. 県幹部によれば、えん提下部の木の芽川護岸(よう壁)について、河川の流れを変更し、護岸の改修工事を行うといいます。護岸の改修には、背後の滞留水および土質の詳しい調査、侵出水の止水工事など実施することが必要です。
    護岸の改修工事について慎重な対応をとるとともに、現在県が実施、もしくは実施しようとしている内容につて、情報を公開するよう求めます。
  4. えん提下部の木の芽川護岸に無数に入った亀裂。(矢印が亀裂)
    えん提下部の木の芽川護岸に無数に入った亀裂。(矢印が亀裂)

    6月1日県は、業者に対し処分業を取り消す手続きに入ったことを伝え、11日には「行政手続法」にもとづく聴聞会も開かれました。処分自体は評価するものの、内容が非公開では過去の責任の所在がはっきりしません。
    同「法」は行政処分などの手続に関して共通する事項を定め、公正・透明な行政運営を図ることを目的に定めた法律で、そのための聴聞会の審理は行政庁の判断で公開できる(同「法」20条の6)ことになっています。
    該当担当の県職員も処分の対象となることが予想されることから、審理は公開することが求められます。
    よって、第一回目の聴聞会の内容を公開するとともに、今後の聴聞会は公開で行うよう要請します。

  5. 私たちが「県情報公開条例」にもとづき公開を求めた業者提出の資料と、県が調査し、「県技術検討委員会」が検討したデータと内容について、「埋立て面積図面」、「平面図、断面図」、「遮水シート敷設にかかる平面図」、「土木定規図」、一部のボーリング「柱状図」など、および「県技術検討委員会」の検討内容について「非公開」とされました。
    えん提の安全確認などに必要な重要な資料であり、事業者の「権利」などを盾にせず公開することを求めます。

以上

 

 

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です