原子力規制委員会は7月16日、原発再稼働の適合性審査の初会合を開きました。8日に申請した電力4社の5原発10基について、九州電力、北海道電力、四国電力、関西電力の順に申請内容を説明しました。もともと不十分な新基準の項目さえ先送りするいいかげんな申請内容を規制委側が問題にする場面がありました。
関電は、国内で唯一稼働中の関電大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について、福井県が想定している長さ90キロの若狭海丘列付近断層による津波の評価で当初示していた基準津波(原発に影響を及ぼす津波)を上回ることがわかっているのに今回も従来通りで申請しています。島崎邦彦規制委員長代理は、「議論の内容の反映がみられない」と批判しました。
九電は、川内(せんだい)原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)について会社側が想定される事故のパターンを「規制委があらかじめ指定したもの以外見つからなかった」としました。しかし、規制委側から「プラント(原子炉)ごとに特徴を把握した上で、どういう対策をしたかを評価してほしい」と注文が付きました。
北電泊原発1~3号機(北海道泊村)については基準津波の引き波の水位が1、2号機の取水口からポンプで海水を取り込める水位より低いのに、会社側は海水を確保できると主張。四電は伊方原発(愛媛県伊方町)3号機への質問に答えられませんでした。