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「海に流出」初めて認める・・東電 福島第1の汚染地下水

対策遅れ否めず

東京電力は7月22日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)敷地内で海側の観測井戸の地下水から高濃度の放射性物質が検出されている問題で、地下水が海へ流出していたことを初めて認めました。

東電が1~4号機のタービン建屋海側に設置した井戸の一つで5月に採取した地下水から、国の濃度限度を大きく上回るトリチウム(3重水素)やストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質(全ベータ)が検出されています。その後、この井戸の周囲に新たに設置した井戸の地下水からもトリチウムや全ベータのほかセシウム134やセシウム137が高濃度で検出されています。

井戸に近い場所の海水中のトリチウムの濃度も上昇傾向がみられたことから、原子力規制委員会の委員らから地下水が海へ流出している疑いが強いと指摘されていました。しかし、東電はこれまで地下水が海へ流出していることを認めていませんでした。

東電は、地下水や海水のデータを検討した結果、「当該エリアの地下水位の変動を見ると、潮位変動や降雨等の影響を受けて変動している様子が見られる」として地下水の海への流出を認めました。1~4号機タービン建屋の地下や、その海側の地下にあるトンネルには高濃度放射能汚染水がたまっています。事故直後には、高濃度放射能汚染水が海へ流出する事散が起こっており、海への流出がその後も続いているのではないかと以前から指摘されていました。

東電は最近になって、地下水が海へ流出するのを防ぐためとして、海側の敷地の土壌改良工事などをはじめましたが、地下水が海へ流出していたことを認めなかったことで、対策が遅れたことは否めない状況です。

淡水化装置から潤滑油が漏れる

東京電力は7月22日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で午前5時ごろ、高濃度放射能汚染水を処理する淡水化装置の高圧ポンプ付近で油が漏れているのを発見したと発表しました。

高圧ポンプを停止したところ、6時ごろに油漏れが止まっているのを目視で確認したといいます。漏れた油は潤滑油で、漏れた量は約8リットルとしています。高圧ポンプの注油口のふたが外れていたため、東電は、そこから漏れたと推定しています。

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