原子力規制委員会は7月23日、原発の新規制基準への適合性について審査を実施し、12日に申請された九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)について初の審査を行ったほか、8日に申請があった4社5原発10基についての論点を提示しました。
重大事故対策の有効性に関する定量的な評価が行われているかなどと問われた各社はいずれも「時間がかかる」「準備中」などと、申請書の内容が不十分なことを認めました。
このうち北海道電力泊原発(北海道泊村)1、2号機について、重大事故対策の有効性評価をタイプの異なる3号機の解析結果を流用して申請書に記載しているなどと指摘。「明らかに準備不足」「現時点では十分な説明ができる状況でない」として、適切な資料が提出されるまで「審査を保留」することを決めました。北海道電力側も、「大変残念な指摘」として、補正申請を検討したいと答えました。
また、規制委の更田豊志委員は1、2号機と同時に申請をしている泊3号機についても「いくつか準備不足の点がある」と述べました。
一方、九電川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)では、政府の地震調査研究推進本部(推本)が示した断層評価に比べ、九電の想定する断層が短いことなどを指摘し、推本の評価を前提にした耐震性評価を行うよう求めました。
関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)では、規制委は、敷地外の三つの断層が連動した場合の地震の揺れの評価や、敷地の地下構造の把握のための実施計画を早急に立てて、調査を実施するよう求めました。
また、玄海原発3、4号機についても、規制委は、敷地の地下構造を把握するための観測データを示すよう求めたほか、同社が自主的な取り組みとして設置した機器などが申請に反映されていないため、申請に反映するよう求めました。
大飯原発・・規制委・・3度調査へ
関西電力大飯原発(福井県おおい町)の敷地内に活断層がある疑いが指摘されている問題で、原子力規制委員会は7月23日、3度目の現地調査を27、28日に行うと発表しました。