東京電力は7月23日、福島第1原発で放射性物質で汚染された地下水が海に流出した問題について、地元のいわき市漁業協同組合(福島県いわき市)に説明しました。東電は、原子炉建屋の地下などにたまっている汚染水増加抑制策として汚染前の地下水を海に放出する計画も説明し、理解を求めました。
いわき市漁協は9月からシラスなどの試験操業を始める方針でしたが、矢吹正一組合長は報道陣に「操業開始に急ブレーキがかかった。慎重に考えないと、とんでもないことになる」と述べ、延期を検討する考えを示しました。
同席した福島県漁業協同組合連合会の野崎哲会長は「国は緊急事態という位置付けで対策をしてもらいたい」と強調。地下水の海洋放出計画について「感情的に難しくなった」と述べました。
第1原発1~4号機の原子炉建屋などの地下には、山側から1日約400トンの地下水が流入し、汚染水増加の要因となっています。東電は地下水が原子炉建屋に流入して汚染される前にくみ上げ、海に流すことを検討していますが、漁業者をはじめ、地元住民の理解を得られていません。
非常用発電機 油漏れ広がる・・福島第1の6号機
東京電力は7月23日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)6号機の非常用ディーゼル発電機の注油タンク下の床面のくぼんでいる部分に、油が漏えいして広がっているのが午前6時40分ごろわかったと発表しました。
油漏れの範囲は縦5メートル、横5メートル、深さ1ミリとしています。油補給弁がわずかに開いていたので閉じましたが、油は糸状に漏れ続けており、受け皿で受けているといいます。
また東電は、18日に湯気のようなものが確認された3号機原子炉建屋5階中央部で、23日午前9時5分ごろ、再度湯気のようなものが上がっていることをカメラで確認したと発表しました。その後、湯気は断続的に見えていましたが、午後2時30分ごろまでに見えなくなったとしています。