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原発関連作業 未払い賃金払わせた・・福島第1元作業員 違法労働訴え / 多重派遣に改善命令

原発関連作業に従事する労働者が、賃金未払いやピンはねなどの違法労働を告発、未払い分を払わせるケースが相次いでいます。
(山本眞直)

「ピンはね」

長崎県佐世保市の建設会社に雇われた大川幸二さん(40代、仮名)は、2011年7月から8月にかけ、東電福島第1原発で汚染水処理作業に従事しました。日当は1万1000円。1次下請け関係者に聞くと「日当が1万6000円、危険手当もついている」。

大川さんを雇用したのは5次下請けでしたが、現場では2次下請けで佐世保市にある大和エンジニアリングサービスの作業グループの一員として働きました。元請けは日立GEニュークリアエナジーでした。

「大和」側に5000円ピンはねされ危険手当も支払われていない、と説明を求めた大川さん。同社は、「業者間の暗黙の了解事項で話せない」。

大川さんはその悔しさ、怒りをメールで福島県いわき市の渡辺博之・日本共産党市議に訴えました。本紙は11年11月9日付「レベル7 原発作業員の抵抗」と報道しました。

渡辺市議、いわき市労働組合総連合、弁護団と連携して労働局に告発。雇用主の建設会社や「大和」と交渉を重ね、大川さんは、未払い分の10万円を20日、受け取りました。

長崎労働局は4月、大和などに対し、大川さんら延べ341人を建設業務である配管工事に従事させたのは労働者派遣法違反、そのうち133人を「大和」の指揮命令のもとで配管工事に従事させたのは職業安定法が禁じる「多重派遣にあたる」として改善命令を出しました。福島原発事故での初の行政指導でした。

大川さんは「(東電、元請けらの)違法行為は作業員を雇用する資格もない」と力を込めました。

労基署に告発・・泣き寝入りしたくない 抗議に解雇

福島労働局によると事業者の68%が「危険手当不払い」など何らかの労働基準関係法令に違反しているという「除染業界」。そんな中、賃金差額分を取り返した作業員グループがいます。

福島県郡山市内で除染作業についた関西出身の17人です。代表格のAさん(60)によると郡山市から受注した元請け(ゼネコンの佐藤工業)の2次下請けのY社(千葉県)に誘われ日当1万7000円で5月14日、雇用契約を結びました。

ところがY社は工事最終日の6月15日午前、「日当は1万3000円だ」と言い出し、「納得できない」と抗議するAさんらに解雇を通告。Y社からの使いという暴力団風の男2人がAさんらに「すぐに寮から出て行け」と威圧してきました。

Aさんらは「泣き寝入りしたくない」と6月16日、郡山労働基準監督署に解雇無効、賃金未払いなど労働基準法違反として告発しました。同労基署は今月(7月)、元請けの佐藤工業、下請け各社を呼び事情聴取、未払い賃金の支払いを指導。Y社は「今月中に支払う」と回答しました。

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