経済同友会は、7月24日に発表したエネルギー問題の提言(「環境・エネルギーを軸とした持続可能な社会の実現に向けて」<中間報告>)で、原子力発電について、「新規制基準に基づき、安全性が確認された原発の再稼働を着実かつ迅速に進める」ことを強調し、「検査体制の強化を図るべきである」と主張しました。「安全神話」をもとに原発再稼働を要請することは、「原発ゼロ」を求める世論に挑戦するものです。
提言はさらに「原子力発電の再稼働後においても、安全検査の実施方法と検査・確認体制を深化させていくべきである」と述べています。
中長期的には「省エネ」「億炭素」社会の実現が望ましいとしています。一方、原発は「最新の核エネルギーを利用した、より一層安全な原子力発電の技術開発を産官学一体となって進め(る)」ことを求めています。
原発について経済同友会はこれまで、「中長期的には、再生可能エネルギーや省エネルギーの推進を図りながら、原発への依存度を一定水準まで下げる『縮・原発』の方向が望ましい」としていました。今回の提言は、中長期の課題の中でも、「縮・原発」の考え方は強調されていません。