原子力規制委員会は7月31日、新規制基準のもとで再稼働を申請している4社5原発について、原発敷地の地下構造がどのように把握されているのかに関する適合審査を行いました。
新潟県中越沖地震(2007年)では、東京電力柏崎刈羽原発で同じ敷地なのに特定の号機に想定をはるかに上回る地震の揺れが観測されました。新規制基準ではこれらを教訓に、原発の敷地や周辺の地下構藍によって、原発に与える地震の揺れの影響が変わるとして、3次元的に地下構造を把握した上で、地震の影響を評価することを求めています。
九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)、同川内原発(鹿児島県薩摩川内市)、四国電力伊方原発(愛媛県伊方町)、北海道電力泊原発(北海道泊村)について各社は、地震観測記録などに基づいて報告。地下構造によって地震の揺れが特別に変わることはないと説明しました。
玄海原発に対して、規制委は「地下200メートル以深の地下構造の把握が不十分だ」として、調査の拡充を求めました。
泊原発に対しては、1、2号機の観測点の調査結果で3号機への影響を評価していることの問題点を指摘する意見が出ました。敷地が傾斜している影響など「全体の地質構造を把握して影響を評価してほしい」などの注文が付きました。
一方、関西電力高浜原発(福井県高浜町)については、規制委から地下構造把握のための調査を求められていましたが、同社は短期的な調査を実施し、9月中旬に結果を報告したいと述べました。
(「しんぶん赤旗」2013年8月1日より転載)