1リットル当たり
東京電力は8月1日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)2号機タービン建屋の東側から海へ延びるトンネルの立て坑で7月31日に採取した水から放射性セシウムを1リットル当たり9億5000万ベクレル検出したと発表しました。ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質(全ベータ)は同5億2000万ベクレル含まれていました。このトンネルの北側にある配管で最近採取した水からは放射性セシウムが同23億5000万ベクレル検出されています。
これらの水の放射性セシウム濃度は2011年の原発事故発生直後の4月に、海へ流出した高濃度放射能汚染水と同レベルで、タービン建屋の地下から流れ込んだ高濃度放射能汚染水とみられます。
2号機タービン建屋東側の海に近い場所の地下水からは、高濃度の放射性物質が検出されており、東電は7月22日、地下水が海へ流出していることを認めました。地下水の汚染源となっているとみられるのがタービン建屋東側の配管やトンネルにたまっている水です。
地下水の水位は7月30日現在で地表から1メートルのところまで上昇しています。東電は現在、1号機と2号機の間の海岸付近の地下に薬液を注入して遮水壁を作る工事を進めています。この工事が進むにつれ、7月10日頃から地下水の水位が上昇しているとしており、7月31日の記者会見ではたまった地下水が遮水壁の脇から回り込んだり、上端からあふれたりして海へ流出する可能性があることを認めました。