九州電力は8月1日、川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1、2号機で炉心損傷を伴う事故が発生した場合、放射性セシウム137が約5・6テラ(1テラは1兆)ベクレル放出されるとする評価を明らかにしました。原発再稼働の前提条件となる新規制基準への適合性を評価する原子力規制委員会の会合で示しました。
1次冷却水が大規模喪失し、ECCS(緊急炉心冷却装置)による注入や、格納容器スプレイが失敗することを想定しました。解析によると、約19分で炉心溶融が始まり、約1時間半後に原子炉圧力容器が破損、溶融燃料が格納容器内に落下します。圧力が高いため格納容器からの漏えいが生じ、放射性物質が建屋内に流出。さらに建屋から排気筒を通じて外部に漏出するとしています。
この場合、事故発生から7日後までにセシウム137が炉心蓄積量の約0・002%に当たる約5・6テラベクレル放出されます。
また、同様の事故で、停止後10時間から23時間まで屋外で移動式大容量ポンプ車を配備する作業に従事すると、マスクをしていても約42ミリシーベルト被ばくするとしています。