原子力規制委員会は8月14日、原発の再稼働の前提となる新規制基準への適合審査を開き、北海道電力泊原発3号機、関西電力高浜原発3、4号機の津波想定について検討しました。北海道電力には津波想定を見直すよう求めました。また、関電は、規制委の求めに応じ、想定される津波の高さを見直した結果、敷地の一部に達する恐れがあると報告しました。
北海道電力は、津波の想定について、日本海側の複数の海底断層は連動しないと説明。規制委は、秋田県が最大350キロメートルの規模で連動することを想定しているにもかかわらず、それを否定する北海道電力の説明には「誤解がある」などとして、「連動を考慮してもらいたい」と再評価を求めました。規制委の島崎邦彦委員長代理は、北海道電力が「過去最大」にこだわっているとして、東京電力福島第1原発事故の教訓を踏まえてほしいと指摘しました。
また、これまで高浜3、4号機の津波の高さを2・6メートルとしていた関電は、福井県の津波想定を考虚してほしいとした規制委の指示を受けて試算した結果、取水口前面で3・99メートルになるとしました。敷地の高さは3・5メートルで、海水ポンプ室などが浸水する可能性が出てきました。
関電は浸水の恐れのある施設を囲むように新たな防潮堤を造るとしましたが、規制委は、津波が敷地内に流入しないよう対策の強化を求めました。
(「しんぶん赤旗」2013年8月16日より転載)