東京電力は4月22日、汚染水から放射性物質を吸着して減らす装置「ALPS(アルプス)」の1系統(A系統)で運転を再開したところ、水の白濁と高いカルシウム濃度が確認されたため、約2時間後に停止したと発表しました。東電は、弁の操作ミスが原因とみています。
この系統は先月27日にも、白濁した水が確認されたため停止。フィルターから炭酸塩の懸濁液が流出しているとして、懸濁液を取り除くため系統内を洗浄していました。4月22日午後4時15分に洗浄作業が終わって運転を再開。その後、問題のフィルターの下流側にあるポンプ出口から採取した水が白濁していたため、同午後6時すぎに運転を停止しました。
東電は23日、炭酸ソーダを供給するラインの手動弁が閉まったままだったという調査結果を発表。そのため炭酸塩沈殿が生成されず、カルシウム濃度が高いまま、下流に流れたと推定しています。
アルプスはセシウム除去装置などを通した後の汚染水からトリチウム(3重水素)以外の放射性物質を大幅に取り除く装置。国と東電が汚染水対策の中核と位置づけていますがトラブルが絶えず、運転しているのは3系統のうち1系統のみ。本格的な運転の見通しが立っていません。