国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第3作業部会報告書に、地球温暖化を防ぐうえで原発は必須でなく、再生可能エネルギーで代替可能との記述があることが分かりました。原発依存をやめても、温暖化対策の費用が大きく増えることはないとしています。
安倍政権が閣議決定したエネルギー基本計画は、原発を“安価で安定的な電源”だとし、発電時に温室効果ガスを排出しないことから温暖化対策に資するとしています。
IPCCの報告書は、低炭素の発電技術として原発とともに風力や太陽光を挙げ、「利用できる低炭素の発電技術は複数あり互いに代替可能だ」と指摘。原発を新増設せず段階的に廃止するシナリオでも「(温室効果ガスの)削減費用はわずかしか上昇しない」と記しています。
原発が世界の発電量に占める割合が1993年の17%から、12年に11%まで低下したことも指摘しています。
IPCCの報告書作成には世界各国の科学者、政府関係者など数千人が参加。地球の気温上昇を産業革命前と比べ2度未満に抑えなければ、回復不能な環境破壊が起こると警告しています。
4月13日に公表された第3作業部会報告書は、原発について温暖化対策に貢献する可能性はあるとしつつ、運用リスク、ウラン採掘リスク、金融・規制リスク、核兵器拡散の懸念、未解決の廃棄物処理問題、反対世論など「各種のリスク」があると明記しています。