東京電力の福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、タンクから大量の高濃度汚染水が漏れた事故について、原子力規制委は8月28日、7段階ある国際原子力事故評価尺度(INES)で、上から5番目の「レベル3」(重大な異常事象)と暫定評価し、国際原子力機関(IAEA)に通報することを決定しました。同日の原子力規制委の定例会合で報告されました。
規制委は、東電から漏えい報告があった19日、INES評価で「レベル1」と暫定評価。その後、東電が、漏えい量を300トンとみられると発表。300トンに含まれる放射性物質は24兆ベクレルと推計されました。このため、同評価で「レベル3」に相当すると、21日に発表しました。
しかし、規制委は、福島第1原発事故の収束していない段階での応急的な施設に対し、INES評価を適用することが適切かどうかなどの点について疑問があるとして、IAEAに問い合わせを行っていました。
IAEAからは、応急措置として作られた施設に対しても「INESは適用され得る」などの回答を得ていました。
規制委は今後、福島第1原発でのINESの暫定評価については拙速に行うのではなく、情報を集めた上で発信するなどとしています。