国内で唯一稼働中の原発で、敷地内の破砕帯(断層)が活断層ではないかと指摘されている関西電力大飯原発(福井県おおい町)について、原子力規制委員会の専門家チームは9月2日、評価会合を開きました。
関電は、敷地内の破砕帯(取水路近くの「山頂付近」と、3、4号機近くの「敷地南側」)が、活断層の定義である後期更新世(約12万~13万年前)以降に活動していないと主張。出席した専門家からは、破砕帯の活動性について特に異論はありませんでした。規制委の島崎邦彦委員長代理は「一定の方向性が出た」と述べ、次回以降の会合で、規制委に提出する報告書案を提案することになりました。
(しかし専門家は、「山頂付近」と「敷地南側」の両破砕帯は、断層の活動性がないことで一致しましたが、両破砕帯がどのようにしてF−6とつながるのかの共通認識は得られておらず、これらをF−6とつながる断層の一部だと主張する関電の考えには疑問の声があがっています。F−6との連続性がはっきりしないのに、F−6は「活断層ではない」との根拠にはなりません。よって、さらなる詳細な調査が必要です。)
同原発では、「F−6」と呼ばれる破砕帯が南北に伸び、北側で3、4号機の重要施設「非常用取水路」を横切っているとされていました。これまでの会合で、敷地内の破砕帯の活動性や連続性が議論されてきました。会合では、関電が従来、「F-6」としてきた破砕帯の連続性に関して、複数の専門家が疑問を呈していました。
関電は大飯原発3、4号機について、再稼働の前提となる新基準への適合審査を申請。しかし、規制委は敷地内の活断層に関する結論が出るまで、審査しない方針です。
(「しんぶん赤旗」2013年9月3日より転載)
(青字=山本雅彦氏が加筆)