敷地内の破砕帯(断層)が活断層である可能性が高いとされている東北電力東通原発(青森県東通村)の問題で、原子力規制委員会の専門家チームは9月3日、2日間の日程で現地調査しました。調査は昨年12月以来、2回目。
初日の調査を終えた後の会見で、規制委の島崎邦彦委員長代理は「頭の中の整理はこれからだが」と断りながら、「これまでの評価と大きく変わることはない」と述べました。
専門家チームは、今年2月、「F‐3」「F‐9」断層について、「活断層の可能性が高い」とする報告書案を提示し、断層が活動した際の地震の揺れを評価するよう求めています。活断層とする判断が変わらなければ、東通原発1号機の再稼働は困難となります。
規制委の島崎委員長代理と4人の外部専門家は、敷地内を南北に走り原子炉建屋に250メートルまで迫る「F‐9」断層と、同じく約450メートルに位置する「F‐3」断層について、東北電力が新たに掘削したトレンチ(溝)を中心に調査しました。
調査に先立ち、東北電力は、活断層の可能性が指摘された地層のずれは、岩盤の劣化部の粘土鉱物が水を吸って膨張した(膨潤=ぼうじゅん)ものという従来の見解を元に、「現時点では活断層ではないという見解を変えるデータは得られていな
い」と説明しました。
東北電力は今年12月をめどに自社の判断をまとめた報告書を出す意向です。