東京電力は9月3日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)のタンクで放射線量が高い場所が見つかっている問題で、新たに「H6エリア」という区域にあるタンク1基で毎時300ミリシーベルト以上の放射線量が測定されたと発表しました。汚染水漏れの痕跡は見つからなかったといいます。
これで、同原発で汚染水漏れや高線量が確認されたタンクは計7基となりました。
8月19日にタンクから300トンもの汚染水漏れが見つかって以後、東電はタンクの点検を強化。最高で毎時1800ミリシーベルトをはじめ、高い放射線量が測定されていました。
いずれのタンクも、鋼板の間にゴム製パッキンをはさんでボルトで締めて組み立てる「フランジ型」。高線量が見つかった場所の多くは底板の接合部付近です。
高線量が見つかった場所については、前日に毎時100ミリシーベルトまで測れる線量計しかなかったため、3日に改めて測定しました。
東電は、高線量が見つかった場所では水漏れの痕跡は見つかっておらず、汚染水漏れを示すものではないと説明していますが、高線量が測定される原因は、分かっていません。
汚染水漏れ 東電を告発・・福島の市民団体
東京電力福島第1原発の放射能汚染水漏れ問題で、福島県の市民団体のメンバーは3日、東電が適切な対策を怠ったため汚染水が海に流出したとして、公害犯罪処罰法違反容疑で、広瀬直巳社長ら東電幹部32人と法人としての同社に対する告発状を福島県警に提出しました。県警は受理について検討します。
市民団体側は告発状で、東電が汚染水を貯蔵するタンクの監視と漏えい防止策を怠ったと指摘。地下水が原子炉建屋地下に流入し、汚染されて海に流出することを認識しながら、政府が2011年6月に求めた遮水壁の設置を経営破綻を恐れて先送りしたと主張しています。
東電は「コメントは差し控える」と話しています。