東京電力は9月13日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で、大量の汚染水漏れがあったタンクの北側の観測用井戸で12日に採取した水から1リットル当たり13万ベクレルのトリチウム(3重水素)を検出したと発表しました。
この井戸は汚染水漏れがあったタンクから北へ約20メートルの場所にあり、タンクから漏れた汚染水が周囲の環境に与える影響を調べるために設置したもの。10日に採取した水から同6万4000ベクレルが検出され、国の基準値(同6万ベクレル)を初めて超え、今回はその約2倍。濃度の急上昇が止まらない状況です。東電は「タンクから漏れた原水が付近にあることを示唆しているのでは」といいます。
水は深さ約6メートルで採取。地下水の水位は深さ3~4メートルで、漏れた汚染水が地下水と混じっている可能性が高くなっています。
一方、東電は13日、タンクから漏れた汚染水が流れ込んだとみられている排水溝で、タンクの下流側で前日採取した水からストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質(全ベータ)を1リットル当たり2400ベクレル検出したと発表しました。下流側に土のうが置かれてあり、東電は「清掃で流れた水がたまったものではないか」としています。
さらに、外洋に直接つながり、海から約150メートルの距離にある地点で11日に採取した水から全ベータを同220ベクレル、放射性セシウムを同104ベクレル検出。東電によると、7日から排水溝の除染のための清掃をしていました。その一部が排水溝に流れた可能性があり、海への流出の恐れがあります。