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老朽原発延命策さらに/経産省が審査基準案 審査期間上乗せ

安全性に懸念 小委で意見も

 60年を超えて原発の運転を容認した法律が6月に施行されるのを前に、経済産業省は24日の総合資源エネルギー調査会の原子力小委員会で、延長を判断する審査基準案を示しました。同省は今後、パブリックコメントを行い、基準を策定するとしています。

 「原発の最大限活用」を掲げ23年に成立したGX(グリーントランスフォーメーション)電源法は、原子力規制委員会が所管する原子炉等規制法で規定された「原則40年、最長60年」という原発の運転期間ルールを削除。運転期間について経産省所管の電気事業法に移管しました。規制委による審査などで停止した期間を運転期間に含めず、仮に審査で10年間停止した場合、その分を上乗せして運転が可能になります。

 24日の会合では、電気の安定供給を確保することに資することなどの認可要件が示され、規制委の審査で運転を停止した期間や、仮処分命令で停止した後に上級審で命令が取り消された場合の期間などは運転期間に含めず、上乗せして延長できるとしました。

 一方、事業者の不適切な行為で停止した期間は、延長の対象にしないとしました。事例として、テロ対策の不備があった東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)が事実上の運転禁止命令を受けた約2年8カ月や、地質データの書き換えなどがあった日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)の審査中断期間を挙げています。

 審査は書面で行われ、経産相が認可します。会合で委員からは老朽原発の安全性への懸念や第三者を交えた審査を求める意見がありました。

(「しんぶん赤旗」2025年3月26日より転載)