
運転開始から40年を超えた関西電力高浜原発1、2号機(福井県高浜町)と、関電美浜原発3号機(同県美浜町)の運転期間を延長した認可の取り消しを求め、福井県や愛知県などの住民らが国を訴えた行政訴訟の判決が14日、名古屋地裁でありました。剱持亮裁判長は、「規制委の審査及び判断に不合理な点は認められない」として、いずれも住民側の請求を棄却。弁護団は、高裁に控訴する方針です。
判決は、福島第1原発事故後の新規制基準で設けられた「火山影響評価ガイド」について、2019年に原発の安全対策における巨大噴火リスクを対象外にしたことは、「非保守的(原発の安全性における不十分さ)に変更したようにも読める」としながら、「ガイドの基本的考え方は以前と同様。非保守的に変更したものではない」としました。
また、原子炉が中性子を浴び続けることで設備が劣化し、緊急炉心冷却装置(ECCS)の作動で低温になった場合に、炉にひび割れが入り破壊してしまうとの原告側の主張についても、判決は「外部専門家を含めて妥当性が確認され、不合理な点はない」と述べました。
原告で「老朽原発40年廃炉訴訟市民の会」共同代表の草地妙子さんは、「関電や規制委員会の主張をうのみにする判決でした。国が安全を最優先にする努力をしたのかどうかを判断してほしかった」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2025年3月16日より転載)