政府の汚染水処理対策委員会(委員長・大西有三京都大学名誉教授)は9月27日、東京電力福島第1原発で深刻化する汚染水問題で、今後、対応が必要なリスク(危険性)をまとめました。
原子炉建屋からの高濃度汚染水漏れのほか、移送配管部からの漏えい、放射性セシウム除去装置からの漏えいなど11項目を挙げていますが、「正確に把握できないリスクがあり得る」として、抜本対策はこれからと認める内容です。
また、現在実施している対策が失敗した場合の対策も列挙。港湾内の汚染物質への対策やタンクからの微少な漏えい対策、地下水の新たな流入抑制対策など「技術公募」にかけるものが少なくありません。
論点として「地下水流動のメカニズムの把握・分析」などの問題を列挙し、年内に対策の全体像をまとめるとしています。
トリチウム高濃度検出・・海側の地下水
東京電力は9月27日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)1、2号機タービン建屋の海側の地下水から26日に採取した水から、1リットル当たり4万3000ベクレルのトリチウム(3重水素)を検出したと発表しました。
この水からは、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)でも同40万ベクレルという高濃度が検出されており、この一帯で高濃度の汚染が確認される傾向が続いています。