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レーダー 原発再稼働より再生エネこそ

 総選挙が投開票された翌々日の10月29日、東北電力女川原発2号機が再稼働しました。東日本大震災の「被災原発」の再稼働にもかかわらず、選挙直後とあって、目立った報道はありませんでした。

 3日のTBS系「サンデーモーニング」は、一週間の動きの中で、この再稼働を取り上げました。

 女川原発は三方を海に囲まれた牡鹿半島にあり、現在の避難計画で住民が無事に避難できるのか、不安の声があがっています。

 番組では、朝日新聞論説兼編集委員の高橋純子さんが、「こんなことやって大丈夫なのかな。あのときの反省はどこへいってしまったのか。(原発回帰をすすめることに)国民的議論はあったのだろうか」と疑問を呈しました。司会の膳場貴子さんは、「避難計画という点では、心配が残りますね」と応じました。

 番組の「風をよむ」のコーナーは、「異常気象が相次ぐ中、一貫しない日本のエネルギー政策」として、「気候変動への具体的政策が求められている」と、2030年度に温室効果ガスを46%削減するという政府目標などを取り上げました。

 コメンテーターの松原耕二さんは、「AI(人工知能)の活用で電力需要が高まるから“だから原発を”という声が相次いでいる」と指摘。「しかし、6年前、政府は再生可能エネルギーを主力電源化しようとハッキリ打ち出している。普通は再エネをどう増やすか、を本格的に議論すべきなのに、AIに便乗する形で原発の新増設、再稼働という声が強まっている。再エネを主力電源と決めたなら、そこはきちんとやるべきだ」とのべました。

 選挙中のNHK日曜討論(10月21日)で、エネルギー政策について、自民党の森山裕幹事長が「原発は再稼働を目指す」とのべ、国民民主党の榛葉賀津也幹事長も「10年間で電力需要は15倍に増えると言われている。再エネと原発(両方)やってもまだ足りない」と応じています。

 女川原発は3日、トラブルが発生し、原子炉を停止しました。原発事故の収束もできていないのに、再稼働など言語道断です。原発推進の「部分連合」はごめんです。

 (藤沢忠明)

(「しんぶん赤旗」2024年11月5日より転載)