東京電力は17日、福島第1原発事故で2号機の原子炉格納容器の底部に溶け落ちた核燃料(デブリ)の試験的取り出し作業をめぐって、装置に搭載されたカメラに不具合が起きたため作業を中断したと発表しました。原因は調査中で、再開のめどは立っていません。
東電によると、同日午前に準備作業を進めていたところ、装置に搭載されているカメラ4台のうち2台が電源を入れても映像がモニターに送られない状態になっていることが判明しました。当該の2台はデブリの粒子をつかんで採取するのに必要なため、作業を中断しました。
試験的取り出しは、「テレスコ式」と呼ばれる釣りざお状の伸縮する装置を格納容器内に進入させて、先端に取り付けた爪形の金属器具を底部につり下ろし、最大3グラム程度のデブリをつかんで採取する計画。14日には金属器具を格納容器底部に接触させましたが、その際にはデブリをつかむ作業はしていません。15日の時点ではカメラに異常はみられなかったといいます。
取り出し作業は、当初8月22日に開始する予定でしたが、作業ミスが見つかったため9月10日に再開するまで中断するトラブルが発生していました。
(「しんぶん赤旗」2024年9月18日より転載)