政府が狙う新たな原発優遇策に反対する署名活動が開始されています。署名の呼びかけ人らが18日、オンラインで共同記者会見を行い、原発新設を進めるため電力会社や投資家が負うべきコストやリスクを国民に押し付けるものと反対を呼びかけました。
会見で、発起人の明日香壽川・東北大学東北アジア研究センター・環境科学研究科教授は、経済産業省が数年前にイギリスで提案されたRABモデルといわれる制度の導入を狙っていると指摘。原発の建設費が高騰し、加えて建設期間が長期化する中、RABモデルは、投資回収をしやすくするために稼働前から建設費などを電気料金に上乗せできる制度です。明日香氏は「原発のコストなりリスクを需要側に押し付ける制度」「原発に無駄なお金が行けば再エネ省エネがそれだけ進まなくなり、温暖化対策も遅れる」と懸念を示しました。
呼びかけ人で原子力市民委員会座長の大島堅一・龍谷大学政策学部教授は、「原発を完全に特別扱いにして、電力自由化の趣旨に真っ向から反している。多額の費用を一般国民から取ることになる」と強調しました。
同じく呼びかけ人の鈴木達治郎・長崎大学核兵器廃絶研究センター副センター長・教授は「意思決定プロセスに国民的議論ができていない。データも公開されていない」と批判しました。
署名は、専門家ら9人と、原発や気候変動、エネルギー問題に取り組む12団体が呼びかけています。
(「しんぶん赤旗」2024年9月19日より転載)