青森県むつ市に建設中の使用済み核燃料の貯蔵施設(リサイクル燃料備蓄センター)に、東京電力が柏崎刈羽原発(新潟県)から使用済み核燃料を搬入する計画について、市民団体が19日、搬入計画の中止を求める要望書を東電に提出しました。
原子力規制を監視する市民の会と規制庁・規制委員会を監視する新潟の会、国際環境NGO「FoE Japan」が呼びかけたもの。3団体は、同要請への署名を呼びかけ、8675人の個人署名と65団体の賛同が集まりました。
署名提出に先立ち、東京都千代田区の東電本社前で参加者らは「使用済み燃料お断り」「むつへの搬入おことわり」などとアピール。新潟県から駆け付けた桑原三恵さん(76)は、「東電は核のごみの発生者としての責任を自覚して。むつへの搬出と柏崎刈羽原発の再稼働をやめるべきです」と話しました。
リサイクル燃料備蓄センターは、東電と日本原子力発電の原発から出た使用済み核燃料を再処理工場に搬出するまでの間、保管する中間貯蔵施設。両社が出資した「リサイクル燃料貯蔵」が建設。貯蔵期間は50年以内とされています。
新規制基準への対応工事が今年3月末までに完了したとして、今年度上半期に柏崎刈羽原発から使用済み燃料を入れた金属製容器(キャスク)1基を搬入する計画です。
要望書では、同センターからの搬出先が明らかにされておらず、核のごみ捨て場と化す可能性が高いと指摘。東電は責任逃れをやめ、このことを住民に誠実に説明するべきだなどとしています。
(「しんぶん赤旗」2024年7月20日より転載)