市民団体「核のゴミから未来を守る青森県民の会」は3日、県庁で記者会見し、使用済み核燃料の中間貯蔵施設(むつ市)への搬入に関わって、事業者と県、むつ市が結ぶ「安全協定」を締結しないよう求めました。
7~9月の間に予定される使用済み核燃料の搬入。県では、操業開始の前提となる安全協定の締結に向け、協定案や事業内容についての県民説明会を各地で行っています。
会見した奥村榮共同代表と大竹進運営委員は、核燃料を入れる金属容器(キャスク)の部品製造に「日本製鋼所M&E」(北海道室蘭市)が関わっており、安全性に問題があると指摘。同社は2022年に発電所向け製品の検査データ改ざんなど不正が報告されており、四国電力では不正報告を受けて同社製のキャスク部品を再製造させていると示しました。
奥村氏らは、使用済み核燃料の移送や貯蔵に使うキャスクの安全性が保障されないまま使われようとしていると厳しく指摘。重大な問題であるにもかかわらず、県民への説明もなく県は安全協定を結ぼうとしていると批判し、「安全協定の前提を欠いている」「安全協定の当事者である県はもっと徹底的に調査をするべきです」と、締結の凍結を求めました。
同会は1日、宮下宗一郎知事宛てに要望書を提出しました。
(「しんぶん赤旗」2024年7月5日より転載)