共産党の東京電力福島第1原発放射能汚染水間題の緊急提言を読みました。国が前面に出る、汚染水が海に流れださないためにあらゆる手だてをとることを原則にする、という2点については賛成です。
福島では9月25日から中断していた試験操業を再開しましたが、漁業者は漁をしてなんぼ、の世界です。一日も早く漁をしたいのです。だからこそ、放射能汚染水が海に漏れ出ることは、本当に死活間題です。絶対にあってはいけない。
認識変えた漏出
東電は、原発事故直後の2011年4月に汚染水を海に流出させる事故を起こしました。それから2年半。東電が流出事故を繰り返すたぴに再三再四厳重に抗議してきました。ある意味で東電を信頼し、漏出しないようにやっていると思っていたからです。
ところが、東電は7月22日、一転して汚染水が海に漏出していることを認めました。裏切られました。これ以降、われわれの認識を変えました。東電任せの汚染水管理は、破たんしているのです。共産党の緊急提言にもありますが、東電がやってきたことは、場当たり的なものだったと思います。
人・もの集中を
大震災から漁業を復興させるという視点からみると、魚の水揚げも震災前の7割まで回復しました。ポテンシャル(潜在能力)は十分あります。しかし、高齢化する漁村の再生や後継者間題は、時間がたっほど厳しさが増します。抜本対策が見えてこそ漁業者に安心感を与えます。
7月25日、菅宮房長宮に対し、収束宣言の撤回、汚染水漏出の原因明、国主導の抜本対策を求める要望をしました。
汚染水対策に、「人、もの、金」を集中する。いまの漏出状況をつかみ、その原因究明と対処に全力をあげる。廃炉に至るまで、そしてそれからも、漁業者が安心して操業できるようにしていただきたい。
国の責任で、英知、技術、人材を結集して将来にわたる安定した汚染水管理をしてほしいのです。
聞き手・写真 阿部活士