核燃料などの研究・開発をおこなう企業「日本核燃料開発」(茨城県)が、放射性物質を扱う機器の点検を実際には行っていないのに、実施したとする不正行為を繰り返していたことが、12日の原子力規制委員会の定例会合で報告されました。同社は2021年にも、火災報知器の点検の未実施と記録の不正が見つかり、規制委から保安規定違反と指摘されていました。
原子力規制庁によると、日本核燃料開発は、放射性廃液タンクや給排気設備の弁など5件の設備の点検を実際には行っていないにもかかわらず、実施したとする虚偽の点検記録を、最も長い場合は09年度から14年間にわたり作成していました。いずれも同じ担当者が行っていたといいます。
規制庁は、21年に不正を指摘した後も同じ担当者による不正が継続したと指摘。背景として検査担当者の職務環境や業務量が適切でなく、上司や管理職がその状況を把握していたにもかかわらず、組織的に放置している状態が続いていたとしました。
規制委は、21年の指摘以降の是正措置が組織的に適切に実施されていなかったとして、前回の指摘より深刻な違反と認定。今後、是正措置の実施状況を厳しく監視していくこととしました。
(「しんぶん赤旗」2024年6月13日より転載)