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海への投棄認めるな/福島地裁 汚染水差止訴訟で口頭弁論

 東京電力福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)の海洋放出差し止めを求め、漁業関係者や福島県内外の住民ら原告約360人が国と東電を相手に起こした「ALPS処理汚染水差止訴訟」の第2回口頭弁論が13日、福島地裁(小川理佳裁判長)でありました。

 東電側代理人は、海洋放出に至る経過と観測データなどを約40分間話し、「原告が差し止め請求する理由はない」と話しました。

 原告側代理人の永田真衣子弁護士は、準備書面を示しながらトリチウム以外の放射性物質をすべて取り除いてゼロにすることは不可能であり、このような「処理水」が海洋に放出された場合、海洋生物による生物濃縮の可能性があると指摘し、ALPS処理の問題点に言及しました。

 トリチウムやプルトニウムなど放射性核種の危険性、NAML(全米海洋研究所協会)の声明などにふれて、「予防原則に基づき、汚染水の投棄を認めるべきではない」と述べました。

 原告団の報告集会で丹治杉江氏は「東電側は740倍希釈し、放出海域は漁業していないというが非常に不見識だ」と発言。国分富夫氏(80)は「傍聴して怒りを抑えられなかった。私は福島第1原発の建設予定のときから反対してきた。事故は犯罪だ。そのうえに海洋放出でまた犯罪か。原発はやめるべきだ」と訴えました。

 次回は10月1日午後2時15分からの予定です。

(「しんぶん赤旗」2024年6月15日より転載)