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プルサーマル凍結へ・・福井県知事、「安全問題解決が先」と保留を要求

福井県の西川一誠知事は十二日、関西電力が二○○七年度に実施予定のプルサーマル計画について、「(原発の)安全という大前提があるのだから、安全の問題が解決されてから議論が始まる」と述べ、死傷者を出した美浜原発事故を受け、一時保留すべきだとの認識を示しました。

中川昭一経済産業相も同日の記者会見で、同知事の発言に配慮する意向を表明。プルサーマル計画は当面凍結される見通しとなりました。

プルサーマルは、使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムをウランと混ぜた混合酸化物(MOX)燃料に加工し、原発で再利用する仕組み。県は今年三月に計画を正式了承。関電は海外に燃料を発注して、高浜原発3、4号機(同県高浜町)での実施を予定しています。

関電のプルサーマル計画は、一九九九年九月に燃料を製造した英国核燃料会社(BNFL)による検査データのねつ造が発覚し、同年十二月に中断した経緯があります。


■解説‥再処理で危険増大、中止を

政府や電力業界が、プルサーマルを推進しようとしているのは、使用済み核燃料を再処理する核燃料サイクル政策を国策として推進しているからです。

今回の事故で明らかになったように原発の安全に責任をもてない電力会社がプルサーマルを実施するなどは、無謀としかいいようがありません。プルサーマル計画はきっぱり中止し、原発推進、核燃料サイクル推進の政策をこそ見直すべきです。

プルサーマルとは現在の軽水炉型原発でプルトニウムを燃料に使用する方式です。プルトニウムは比放射能(一グラム当たりの放射能の強さ)がウランに比べてもけた違いに大きく、万一、事故などで環境中に放出されれば大変なことになります。

放射線の防護が困難になり、作業者の被ばくも増大します。原発の安全にとっていいことはなく、危険を増大させるだけです。

使用済み核燃料を再処理してプルトニウムを取り出す方式は、再処理しない場合にくらべてコストが何倍も高くなるという試算を、政府自身がやっておきながら隠していたことも、大きな問題になっています。

前田利夫記者

 

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