北海道の研究者などでつくる「行動する市民科学者の会・北海道」は13日、記者会見を開き、北海道電力が再稼働を狙う泊原発(泊村)近くへの火砕流到達の可能性を否定した同社の調査について、「無関係な場所のデータなどを用いた重大なごまかしがある」と告発しました。
小野有五事務局長(北海道大名誉教授、自然地理学)は、原発から9・5キロ地点で地層が露出している幌似(ほろに)露頭での、同会による地質調査の結果を報告。「ピソライト」(火山灰が水と触れてできた豆粒状の石)、火山流出物の熱で土が焼けた「焼土層」など、火砕流の到達を示す部分があると指摘しました。
北電が行ってきた調査について、「私たちが確認したのとは全く無関係な場所を調べて『火砕流の可能性はない』と原子力規制委員会に報告し、現地調査でも同様の場所に案内をしている。科学を冒涜(ぼうとく)するものだ」と厳しく批判しました。
規制委に対し、今回明らかにした地層の調査を北海道電力に命じるよう求める文書を送付したと明らかにし、「あらゆる可能性を調べるべきだ」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2024年3月15日より転載)