能登半島地震から2カ月余。東日本大震災によって引き起こされた東京電力福島第1原発事故から13年の11日夜、首相官邸前に出かけました▼「記憶を風化させないため」を合言葉に首都圏反原発連合(反原連)が呼びかけた抗議行動です。ふるさとを放射能で汚染された帰還困難区域にかえ、家族のだんらんという当たり前の日常を一瞬で奪い取った原発事故▼「被災者の気持ち考えろ」「地震の国に原発いらない」「原発動かす岸田はやめろ」。ドラムの響きに合わせたテンポいいコールを聞きながら、地震大国での“脱原発”という初心を思い返しました▼13年たっても事故は未解決、住民は苦しい思いをしているのに、原発再稼働にのめりこむ岸田政権。「原発はどれも海のそばか半島の先。志賀原発は運転停止中で大規模事故に至らなかったのは『不幸中の幸い』で、地震により陸路は寸断され、誰がみても避難計画は絵にかいた餅だ」とのスピーチも▼「もの言わぬ市民がものの言えない社会を生む」。主権者として、声を上げ異議を申し立てて意思表示する経験は安保法制=戦争法などに反対する市民運動などを経て定着。性暴力のない誰もが安心できる社会を願うフラワーデモなど、多様なテーマ、多彩なスタイルで声を上げています▼肝心なのは「あきらめないで行動を続けること」。原発関連企業からの巨額のカネを懐に原発を推進する自民党政治はもうゴメン。安心・安全な未来のため、「原発いらない」の大きな市民運動を。
(「しんぶん赤旗」2024年3月14日より転載)