東京電力福島第1原発の貯蔵タンクから約300トンの高濃度汚染水が漏れた問題で、東電は10月8日、漏出したタンクの底板に見つかった2カ所の隙間が、最大で幅3ミリ、長さ22ミリだったと発表しました。隙間の下側はさびており、東電は、ここから染み出た汚染水が外部に漏出したとみています。
今後、隙間が開いた原因や周囲の土壌の状況などを分析し、詳しい漏出状況を調べます。もう1カ所の隙間は、幅2~3ミリ、長さ11ミリでした。
東電によると、タンクの底板は5枚の鋼板をつなぎ合わせる構造。接合部は、板と板の間にゴム製のパッキンを挟み、ボルトで締め付けています。これまでに、鋼板の端から1枚目と2枚目をボルトでつないだ部分の2カ所で隙間が確認されていました。
東電が隙間付近を詳しく調べるため、ボルトを取り外したところ、この2カ所では締め付けたボルトと板の間に最大約0・23ミリの隙間がありました。さらに、ボルトを通す穴の下部にも隙間があり、ボルトと板の間から入った汚染水が鋼板の隙間を通じ、外に漏れ出たと説明しています。タンクの側面には漏れ出た跡などはなかったといいます。