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核ごみ調査 応募せず/長崎 対馬市長“市民合意ない”

記者会見する長崎県対馬市の比田勝尚喜市長=27日午後、同市役所

 長崎県の離島・対馬(つしま)市で高レベル放射性廃棄物「核のごみ」の最終処分場を誘致する市議会の動きに対し住民の反対運動が起きていた問題で、比田勝尚喜市長は27日、市議会本会議で、誘致の最初の段階となる「文献調査」に応募しないことを表明しました。

 「文献調査」をめぐっては、「自然豊かな島のイメージを損なう」「漁業、観光業にとって死活問題になる」と住民、漁業者から風評被害や処分場の安全性への懸念が噴出しました。受け入れ反対の請願に島内外から2万人超の署名が寄せられるなど、「ストップ!核ごみ」の大きな運動が巻き起こりました。

 一方、受け入れ反対の請願は市議会で不採択に。誘致を求める一部市議らは、「文献調査」の交付金20億円やその後の「概要調査」の交付金70億円を市の財源にしたいとして受け入れ促進の請願を10対8の僅差で採択しており、調査に応募する権限のある市長の意向が注目されていました。

 27日の市議会本会議で比田勝市長は、「市民の合意形成が不十分と判断した。観光業、水産業などへの風評被害が少なからず発生すると考えられる」と指摘。「想定外の要因による危険性が排除できない」と処分場の安全性にも疑問を投げかけました。傍聴に詰めかけた市民から拍手が上がりました。

 「核のごみと対馬を考える会」の上原正行代表は、「市長にノーと言ってもらうために運動してきた」と市長の表明を歓迎しました。市長と市議会の意見の「ねじれ」を解消するため、市環境条例に「『核のごみ』は持ち込ませない」との一項を追加する改正に意欲を示し「これを機に日本の原子力政策を見直してもらうため、対馬から情報発信したい」と語りました。

(「しんぶん赤旗」2023年9月28日より転載)