東京電力が福島第1原発事故で発生した汚染水(アルプス処理水)の海への放出を始めたことについて、福島で原発問題や復興の活動に取り組む2人に聞きました。
中止へ共同 第2ラウンド
政府の結論を受けて、東電が間髪を入れずに実行に移したことは、全くひどいやり方です。
海洋放出したことで、政府がいう福島の復興が進むなどということはありえません。廃炉のためというのも、デブリの取り出しのめどもなく、放出したから廃炉が進むわけではありません。県民との約束を無視して強行することで、今後に禍根を残しただけです。
東電は、これまでに福島に散々被害を与えてきました。海洋放出は、新たな被害をもたらします。そういう意味でも、それだけ罪が重いのです。
現在、海洋放出の差し止めを求める訴訟に関して県内外から問い合わせが相次いでおり、私は、これは第2ラウンドの始まりだと考えています。
海洋放出計画は、多くの問題を含んでいます。凍土壁はいつまでも持つわけではありませんし、廃炉のためには汚染水が増えることを止めないといけません。こういうことは今後、必ず問題となるでしょう。計画の変更、海洋放出をやめさせることは可能です。
いっそう広い人たちと手を組んで本当の解決のために根本に戻ってやるならば復興もかえって進むはずです。強行突破して、既成事実化すれば勝ちというような、今回のようなやり方は事態をますますこじらせるだけです。
(「しんぶん赤旗」2023年8月25日より転載)