東京電力福島第1原発事故から12年4カ月の11日、学者・研究者らの呼びかけで「復興と廃炉の両立とALPS処理水問題を考える福島円卓会議」が開設され、福島市で初会合が開かれました。参加者は、会場に約80人、オンラインで約40人に上りました。
呼びかけ人(8氏)を代表して福島大学元学長の中井勝己氏が「福島の大地、山と海が放射能汚染され、その除去と産業復興のための12年間がまだ続いている。漁業者が積み上げてきた努力を無にすることにならないか。復興主体者の地元住民と事業者が政府、東電と対等な立場で交わす場として円卓会議を設定した」と述べました。
また呼びかけ人の一人として、JA福島中央会最高顧問、JA全中副会長の菅野孝志氏が「決めるのは国、決められるのは国民という構図では理解促進はできない」と参加を呼びかけました。
21人が発言し、菅野正寿氏(農業)は、汚染水の海洋放出は「市民の声や地元住民の考えが反映されていない」と問題点を指摘。日本共産党の吉田英策県議は「トンネルなど漁民無視の経過だ。国は漁民との約束を守るべきだ」と述べました。
同会議の林薫平事務局長は「国と東電は今回参加していません」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2023年7月13日より転載)