全労連や全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)などでつくる原発をなくす全国連絡会は11日、東京・新宿駅西口地下で、岸田政権が今夏に強行を狙う東京電力福島第1原発事故による放射能汚染水の海洋放出方針の撤回を訴えました。原発回帰・推進政策の撤回を求める署名を呼びかけました。
全日本民医連の西澤淳事務局次長は、汚染水の海洋放出について「“関係者の理解なしにいかなる処分もしない”という漁業者との約束をないがしろにするものだ。強行すれば、やっと本格操業まできた福島県の漁業に壊滅的打撃を与える。県民の反対の声を無視した放出は中止すべきだ」と訴えました。
全労連の前田博史副議長は東日本大震災・原発事故を踏まえた歴代政権の「原発への依存度低減」方針を投げ捨てた岸田政権を批判し、「政治が決断し、日本の科学力を生かせば原発ゼロは実現できる」と述べました。
開始から間もなく署名した東京都中野区の女性(75)は「岸田政権は、原発も汚染水の放出も、国民に相談もせず、どんどん決めて国民に押し付けようとする。電力会社などの利益しか考えていない。私の署名は小さいけど、声をちゃんとあげていきたい」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2023年7月12日より転載)