東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)でテロ対策上の不備が相次いで見つかった問題で、原子力規制委員会は12日、東電の原子力事業者としての適格性を再確認する方法について議論しました。
適格性の確認には、原子力規制庁の通常の検査や追加検査に加えて、福島第1原発の廃炉の取り組みや安全性の確保の姿勢などを規制庁との公開会合や規制委と経営陣との意見交換などで確認するとしています。
規制委は2017年12月、柏崎刈羽原発6、7号機が新規制基準に適合するとの審査書を決定しました。その際、原発を運転する適格性が東電にあると判断。適格性の判断に際して東電は、福島第1原発の廃炉を「やりきる覚悟」や原発のリスクを低減する取り組みなどの7項目を確約していました。
しかし、柏崎刈羽原発でテロ対策上の不備が相次いで発覚。21年4月、規制委は事実上の運転禁止命令を出しました。
その後、テロ対策の改善状況を確認する規制庁による追加検査が続けられてきました。しかし、今年5月、規制委は東電の改善活動について一部の項目で是正がされたと判断できなかったとして運転禁止命令を継続しています。
先月には、東電の小早川智明社長との面談を受けて規制委は、命令の解除に際し、東電の適格性の有無について再確認することを決めました。
山中伸介委員長は会見で「適格性があるとした5年前の判断が、維持できているかを確認して、社会に対して説明する責任がある」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2023年7月13日より転載)