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汚染水放出反対 署名計25万超 東北3県の生協が提出 “復興が水泡に”

経産省の職員(左端)に署名を提出する吉川氏(その隣)ら=7日、東京都千代田区

 東京電力福島第1原発から出る「アルプス処理水」(高濃度のトリチウム=3重水素=を含む汚染水)の海洋放出問題で7日、東北3県の生活協同組合が、海洋放出に反対し、国民の理解が得られる別の方法で処分するよう求める署名約3万3千人分を東電と経済産業省に提出しました。同署名は今回が3回目で、累計は25万4353人分になりました。

 みやぎ生協・コープふくしま、宮城県漁業協同組合、宮城県生活協同組合連合会、福島県生活協同組合連合会が呼びかけ団体となり、2021年6月から今年5月まで署名に取り組みました。署名文は「処理水」が海洋放出されれば、震災復興の努力が「水泡に帰す」と懸念を表明。署名用紙で約24万7千人分、オンライン署名で約7千人分を集めました。

 提出行動には、福島、宮城、岩手の各県生協の代表理事や地域代表理事らが参加。冒頭あいさつで福島県生活協同組合連合会の吉川毅一顧問は、「(海洋放出が)国民的な理解や国際社会の理解醸成、安全性の担保が十分にないまま進められれば、科学的に安全とされているものでも、新たな風評被害など地域に影響が出る」と批判。地元漁業や地域経済に「マイナスだ」などと述べました。

 経産省側は、「(海洋放出は)先延ばしできない課題だ」などと述べました。

 署名提出後、参加者は東電と経産省の担当者と非公開で意見交換しました。参加者によると、経産省の「先延ばしできない」発言に対し、「地元の漁業者や住民の反対の声をもっと聞くべきだ」と批判の声が上がったといいます。

(「しんぶん赤旗」2023年7月8日より転載)