東京電力福島第1原発事故による七つの集団訴訟確定判決を受けて、原子力損害賠償紛争審査会の中間指針見直しと賠償金の追加払いが確定し、4月からウェブ請求受け付けが始まったものの、追加賠償自体を知らない人が多くいることが分かりました。ふくしま復興共同センターと福島生業(なりわい)訴訟原告団は6月30日、東電に対し広報と受け付け体制の強化を求めました。
復興共同センターの井上裕子共同代表、野木茂雄県労連議長、中島孝原告団長が、東電側に要請書を手渡しました。
要請では、受け付け開始から3カ月がたつにもかかわらず追加賠償を受け取れることをまったく知らない人が広く存在し、受け付けをめぐっても大混乱に陥っている状況を指摘しました。
改善策として、▽追加賠償に対応する人員の大幅増など体制の抜本的強化▽追加賠償についてのチラシを作成・配布し、広報活動を強める▽自治体の住民情報を十分活用する体制を構築して誤発送を防止し、請求用紙がもれなく届く―よう求めています。
両団体は県に対しても、改善策を東電に申し入れるよう要請しました。
(「しんぶん赤旗」2023年7月3日より転載)