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設備の使用前検査終了・・福島第1「汚染水」放出

 原子力規制委員会は6月30日、東京電力福島第1原発(福島県大熊、双葉両町)の放射性物質トリチウムを含む「アルプス処理水」の海洋放出設備について、現地での使用前検査を終了しました。問題がなければ、1週間程度の手続きを経て、東電に終了証を交付。放出に向けた設備面の準備が全て整うことになります。

 検査は28日から始まりました。規制委によると、希釈用の海水をくみ上げるポンプや、異常時に放出を止める「緊急遮断弁」が正常に作動するかなどを調べました。

 アルプス処理水は、事故で発生する放射能汚染水を処理した後に残る、高濃度のトリチウム(3重水素)を含む汚染水。政府と東電は、これを基準値未満に薄めて海に放出する計画です。

 海洋放出をめぐっては、地元漁業者をはじめ国内外から反対や懸念の声が上がっていますが、政府は今夏をめどに放出を開始するとしており、近く公表される国際原子力機関(IAEA)の最終報告書を踏まえ、放出のタイミングを最終判断するとみられます。IAEAのグロッシ事務局長は今月4日に来日し、岸田文雄首相に報告書を手渡す見通し。

 (時事)

(「しんぶん赤旗」2023年7月2日より転載)