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福島原発事故 国の責任を否定した最高裁判決1年/徹底審理・裁判官公正に 4訴訟原告、最高裁に請願

最高裁に請願した4訴訟の原告ら=16日、国会内

 東京電力福島第1原発事故をめぐり国の責任を否定した最高裁判決から17日で1年になるのを前に、判決が出された4訴訟の原告は16日、最高裁に対し、今後の訴訟では徹底した審理を行い、裁判官の公正さを担保する措置を講じることなどを求めて請願しました。

 請願したのは、国と東電に事故の賠償責任を求めた「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)、群馬訴訟、千葉訴訟、えひめ訴訟の各原告。最高裁で同様の訴訟が争われる際には(1)形式的な上告棄却・上告不受理決定をせず、徹底的に審理を行い、幅広い国民の理解を得られる公正な判断をする、(2)担当裁判官の経歴などから、判断の公正さに疑いを持たれるようなことがないように裁判官の公正さを担保する措置を講じること―などを求めています。

 昨年6月17日の最高裁判決(多数意見)は、想定を超える規模の地震・津波だったので、仮に対策をとって行動しても事故は防げなかったとして、国の責任を否定しました。

 請願後の集会・会見で、生業訴訟原告団長の中島孝さん(67)は最高裁判決について「大事な論点をすっ飛ばした審理。審理の不誠実さ、不公正さを批判し、世論の力で判決を覆したい」と語りました。

 「司法に対する信頼が崩れた」という群馬訴訟の原告代表・丹治杉江さん(66)は「絶対に責任を取らせない限り、過酷事故は繰り返す道」だといい、後続裁判を応援したいと語りました。えひめ訴訟の原告団長・渡部寛志さん(44)は「悔しい思いが続いた1年。公正な判断を下せる裁判官のもとで、一人でも多くの人が前を向いて歩き出せるよう」願っていると述べました。

 日本共産党の岩渕友、吉良よし子、山添拓の各参院議員があいさつしました。

(「しんぶん赤旗」2023年6月17日より転載)