【ベルリン=時事】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は15日、ロシア軍が占拠するウクライナ南部ザポロジエ原発を訪れました。
カホフカ水力発電所のダム決壊に伴い冷却水の確保が課題となっています。グロッシ氏は原発に近接する貯水池など現地の対応状況を確認し「当面は安全を維持できる」と述べました。
IAEAによると、ダムからの取水が停止した場合でも、貯水池には数カ月分の水があります。グロッシ氏は「重要なことは貯水池を現状のまま保つことだ」と述べました。
グロッシ氏は「戦闘が周辺で行われている。数時間前まで訪問できるか分からなかった」と述べ、危険と隣り合わせの実情も再確認されました。
グロッシ氏はウクライナ、ロシア双方に呼び掛けている原発への攻撃禁止など安全確保に向けた「5原則」の重要性を改めて訴えました。ロシアによる侵攻開始後、IAEAはザポロジエ原発に常駐スタッフを配置しており、グロッシ氏が訪れるのは3回目。
(「しんぶん赤旗」2023年6月17日より転載)