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解説 原発推進等5法案・・回帰へ大転換 ゼロこそ責務

 原発推進等5法案が30日、参院経済産業委員会で賛成多数で可決されました。法案の内容は、東京電力福島第1原発事故を忘れた、原発回帰への大転換です。

 「原則40年、最長60年」という現行の運転期間制限のルールは、東京電力福島第1原発事故を踏まえ、「経年劣化による安全上のリスクを低減する」ため、原子力規制委員会が所管する原子炉等規制法(炉規法)で定めた安全規制の重要な柱です。

 それを、運転期間のルールは「利用政策」だとして炉規法から除外。原発推進官庁である経産省が所管する電気事業法に移します。その上で、規制委の審査などで長期停止した期間の分を追加で運転できるようにして、運転開始から60年を超える老朽原発の運転を可能にしています。

 老朽原発は事故や故障のリスクが高くなります。しかし、60年超の原発の劣化を評価する手法や設計の古さへの対応などは規制委で検討中です。安全をどう担保するのかは後回しになっています。

 改定をめぐり、経産省資源エネルギー庁が原子力規制庁(規制委事務局)と昨年7月末から非公開の面談を重ねていたことも問題です。推進側のエネ庁が炉規法の改定イメージまで作り、「安全規制が緩んだように見えないことも大事」とのメモも残すなど、事故の教訓である規制と推進の分離を踏みにじる事態です。

 原子力基本法の改悪案も重大です。基本法は原発を推進する法律ではありません。しかし、「国の責務」として原発を「電源の選択肢の一つとして活用する」と明記。原発を将来にわたって動かす枠組みにしています。そのための産業基盤の維持・強化、事業環境の整備など、原子力産業優遇策を並べ、基本法を変質させています。

 事故の反省に立ち、本気で国民の安全を考えるのなら、原発ゼロに踏み出すことこそ「国の責務」ではないでしょうか。(「原発」取材班)

(「しんぶん赤旗」2023年5月31日より転載)