東京電力福島第1原発事故による汚染水(ALPS処理水)の海洋放出が迫るなか福島市で4月8日、アジア太平洋とつなぐふくしま環境フォーラムと題して公開討論が開かれました。同実行委員会主催、NPO法人アジア太平洋資料センターが共催し、全国各地から約140人、オンラインで約160人が参加しました。
ふくしま復興共同センターの斎藤富春代表が基調報告で福島の現状と課題を述べ、海洋放出ストップ、誰ひとり取り残さない復興を強調しました。
現場から漁業関係者らが報告。生業(なりわい)原発訴訟の服部浩幸事務局長は区域ごとの分断に触れ「原発事故で不幸を経験しなかった住民など1人もいない」と発言。「ごく限定的な議論による拙速な海洋放出は決して許されない」と訴えました。
福島大学の柴崎直明教授は、「日々増加する汚染水が海洋放出問題の根本的な要因。汚染水を増やさない研究グループの提案を東電や国は真剣に検討し、早急に対策を実施すべきだ」と述べました。
同大の林薫平准教授は、福島県民を中心とする廃炉と真の復興に向けた円卓会議を提案しました。
フォーラムではまたオーストラリアのナタリー・ラウリー氏が連帯発言をしました。
(「しんぶん赤旗」2023年4月10日より転載)