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福島第1原発 原子炉 土台損傷ほぼ全周か・・耐震性評価の仮定超える可能性も

1号機内部調査について公開された動画から=3月30日(国際廃炉研究開発機構提供)

 東京電力は4月4日、炉心溶融事故を起こした福島第1原発1号機の原子炉格納容器の内部調査を受けて、原子炉圧力容器を支えている円筒形の土台(ペデスタル)の下部のコンクリートが溶けて鉄筋がむき出しになっている状況が、内壁のほぼ全周にわたっているという見方を示しました。また損傷の状況が、過去の耐震性評価の際に仮定した状況よりも深刻である可能性も否定できないことも分かりました。

 ペデスタルは鉄筋コンクリート製で、外径7・4メートル、内径5メートル。これまでの調査で、外壁の一部や内壁の広範囲の領域でコンクリートが溶けて鉄筋がむき出しになっている様子が確認されました。厚さ1・2メートルの内壁の中央部にある鋼製の部材が見えているところもあることから、コンクリートが半分以上の深さまで失われている可能性も出てきました。

 東電は、国際廃炉研究開発機構(IRID)が2016年度に行ったペデスタルの耐震性などの評価を根拠に「ペデスタルが一部欠損していても重大なリスクはないと評価している」と説明しています。ただ、IRIDの評価は、内壁の損傷が表面から4分の1ほどの深さにとどまると仮定して解析したもの。

 現時点で映像では深さ方向にどのくらいまでコンクリートが失われているのかははっきり見えていませんが、耐震性評価の仮定より深刻な損傷を受けている可能性も否定できないことが明らかになりました。

 東電はこの日、今回の調査で取得したデータをもとに独自の評価を進めますが、数カ月はかかると説明しています。

 東電は、投入した水中ロボットが撮影した動画約39時間分のうち約5分間の映像を公開しました。

(「しんぶん赤旗」2023年4月5日より転載)