大激戦の統一地方選を勝ち抜こうと日本共産党の志位和夫委員長は4日、新潟県の長岡市に駆けつけ、「いよいよ残り5日間になりました。最後の最後までご支持の輪を広げていただき、必ず勝利を勝ち取らせてください」「原発再稼働ストップの1票を日本共産党に託してください」と呼びかけました。夜のとばりが下りる中、長岡駅前に広がった聴衆が党候補をイメージしたひまわりの花を掲げ、熱い声援と拍手を送りました。
県議選の長岡市・三島郡区は定数6を有力8人が争う大激戦です。志位氏は、同区の遠藤れい子候補(現)の必勝に向け、「一票一票しのぎを削る当落線上の大接戦です。党派を超えた支持を一つに集めて必ず押し上げてください」と呼びかけ。県内唯一の遠藤氏の1議席には、かけがえのない三つの値打ちがあると語りました。
第1は、原発再稼働ストップの共同の前進のためにぶれずに頑張る議席です。
志位氏は、岸田政権が原発回帰への政策の大転換を強行するなか、新潟県の柏崎刈羽原発の再稼働を許すかどうかが対決の全国的な焦点となっていると強調しました。
県民が再稼働を強く拒む根本には、世界最大出力の原発を、大事故を起こした東京電力が運転する資格があるのかという不安と危惧があり、その不安と危惧が解消できるのか否かを徹底検証するのが、これまで県が進めてきた「三つの検証」――(1)事故原因(2)健康と生活への影響(3)安全な避難方法の検証でした。志位氏は、花角英世知事が検証総括委員会の池内了委員長を事実上解任し、「検証」を打ち切ろうとしていることを強く批判。次のようにのべました。
「池内委員長は、『東電に原発を動かす適格性があるのかを総括委でとりあげたいと求めたが、県と折り合えず決裂した』とのべています。県民が一番知りたい『適格性があるのか』という問題の検証にフタをしたまま、再稼働を進める―これはまったく無謀です。いま起こっている事態は、あのときの対応が歴史の曲がり角だったとなりかねない事態です。原発再稼働ストップの声をこぞって遠藤れい子さんにお寄せください」
第2は、県民の命と健康を守る文字通りの「命綱」の議席です。
志位委員長は、遠藤氏が医療現場で働いてきた経験を生かし、コロナから命を守るために、現場の実態を踏まえた論戦と提案で県政を動かす大きな働きをしてきたと力説。遠藤氏の提案と実践的な働きにより、▽県内最初のPCR検査センターを長岡市に設置▽長岡市医師会の協力を得て入院待機ステーションの開設―などが実現したと語りました。
県議選挙では、遠藤氏が長岡市医師連盟と医療・介護の充実強化のための6項目の政策協定を結び、「候補者として最適任者」として推薦を受ける画期的な共同が生まれていると紹介。国の号令に従って「地域医療構想」の名で急性期病床の削減を進める県政を批判し、「病床削減ストップし、医療の拡充に切り替えようの願いはこぞって遠藤さんに」と呼びかけました。
第3は、「子育て応援三つのゼロ」を推進する議席です。
新潟県では2022年度から県内すべての市町村で高校卒業までの子どもの医療費助成が実現するなど前進が生まれています。志位氏は、一方で、県が市町村に出している交付金は小学校6年生までの水準にとどまり、一部自己負担が残ったままだと指摘。学校給食費や子どもの国保料(均等割)についての現状と課題を述べ、遠藤氏の勝利で、(1)小中学校の給食費無償化(2)18歳までの医療費の完全無料(3)子どもの国保料(均等割)ゼロを求める「子育て応援三つのゼロ」を実現しようと訴えました。
また、共産党の吉良よし子参院議員が国会質問で、子どもの医療費無償化を「国の制度として実施すること」を求めたのに対し、加藤勝信厚生労働相が「必ずしもプラスになるとは考えていない」と答弁し、岸田文雄首相も同様の考えを示したことに言及。「驚きの答弁です。共産党を伸ばして、こんなとんでもない政治には審判を下し、本当の意味での子育て支援の政治をつくりましょう」と呼びかけました。
岸田政権の大軍拡の是非は統一地方選の大争点となっています。志位氏は、岸田大軍拡の危険な実態を告発したうえで、「いまやるべきは戦争の準備ではなく平和の準備です」と強調。日本共産党は憲法9条を生かした外交で東アジアに平和をつくる「平和の対案」を示してきた党だと語りました。
志位氏は、3月30日に提言「日中両国関係の前向きの打開のために」を発表し、日中両国政府に提起したことを紹介。日中両国政府の間にある三つの「平和と友好に向けた共通の土台」を生かした外交努力を求める提言の内容を説明し、「軍事ではなく外交を。憲法9条を持つ国として、外交の力で日本の平和を確保しアジアの平和をつくる外交こそやるべきです」と訴えると聴衆から大きな拍手が湧き起こりました。
遠藤県議候補が訴え
遠藤れい子新潟県議候補は「病院勤務40年。『命が大事』を痛感しています」と述べ、柏崎刈羽原発再稼働ストップへの思いを訴え。今冬の大雪で道路が大渋滞したことにふれ、「原発事故が起これば避難できないことがわかった。一貫して再稼働ストップを主張する私をぜひ押し上げてほしい」と述べると、大きな拍手に包まれました。
コロナで病院ベッドが不足し命が失われたにもかかわらず、県が国いいなりに病院再編をすすめていると告発し、「新潟の医療を守るためにがんばる」と力を込めました。
立憲民主党の米山隆一衆院議員の「今の自民党政治を変えていけるようエールを送ります」とのメッセージが紹介されました。
(「しんぶん赤旗」2023年4月5日より転載)