東京電力は20日、福島第1原発の汚染水貯留タンク群のうち10カ所で、タンク群を囲む堰(せき)内にたまった水が大雨であふれたと発表しました。あふれた箇所数はこれまでで最多。この中には、今月6日に採取した際、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が1リットル当たり2万9000ベクレルと極めて高い値が検出された場所も。
東電によると、午後4時半前後にパトロールで水があふれていたのを確認。東電自身が原子力規制委員会に示して了承された、堰内にたまった水の暫定放出基準はストロンチウム90が同10ベクレル未満です。10カ所のうち少なくとも7カ所では、暫定基準を上回る放射能濃度が測定されています。
堰内のたまり水の処理をめぐっては、傾いたタンクにたまり水を移送中に、高濃度の汚染水をあふれさせ海に流出させるトラブルなどが相次いでいます。